【應援指導部】最後まで選手を信じ、声を届ける 決戦の慶早戦へ向け最終調整/秋季慶早戦前総合練習

應援指導部

秋季慶早戦を目前に控え、本番に向けた総合練習が行われた。実際の試合展開を想定した練習では、内外野の連携を確認するとともに、劣勢の場面でも最後まで選手を後押しし続けるための応援を徹底。部員たちは互いに声を掛け合い、課題を修正しながら応援に磨きをかけた。勝利への思いを一つに、決戦の舞台・神宮球場に向けて最終調整を行った。

 

総合練習では、試合の初回、8回、9回を想定した実戦形式の応援練習が1時間半以上にわたって行われた。慶早戦本番で劣勢に立たされた際にも、いかに選手を後押しし続けるかを意識しながら、部員たちは練習に臨んだ。

総合練習はエール交換からスタート。慶早戦では内野席と外野席に分かれて応援を行うため、離れた場所でも息の合った応援を届けられるよう、連携を確認した。

初回の想定では、ピンチを迎えながらも無失点で切り抜ける展開に。その裏の攻撃を前に、久保副代表が塾生注目を行った。

久保副代表は、中学生時代に苦手な長距離走の練習で、コーチから「自分を信じないで誰を信じるんだ」と声をかけられた経験を紹介。「自分が無理だと思うんだったら無理だし、逆にいけると思ったら絶対にいつも以上のパワーを出せる」と語り、慶早戦も同じだと強調した。そして、「いけるって思ったらいける。全員でマインドコントロールしようぜ」と力強く呼びかけ、部員たちを鼓舞した。

初回の想定練習が終了すると、野球サブからすぐさまフィードバックが行われ、応援の課題や改善点を確認した。

続いて、8回を想定した練習に移る。8回表には6点を失う苦しい展開となったが、失点後も応援席の士気を下げないよう、部員同士で積極的に声を掛け合った。苦しい状況でも気持ちを切らさず、選手を後押しし続ける応援を徹底した。

その裏の攻撃では4得点を挙げ、点差は2点に。会場には『若き血』が鳴り響き、劣勢からの反撃を想定した応援を確認した。

続いて、練習は9回の想定へ。9回表には2死二、三塁のピンチを迎える展開となったが、2失点で切り抜け、苦しい状況でも声を絶やさず応援を続けた。

迎えた9回裏、坪井代表が壇上に立った。「先輩たちはマスクをして外野席から声を飛ばしていた」とコロナ禍の応援を振り返り、「今は全員で何もなく思いを伝えられる」と続けた。そして、「だからもっと伝えたいこと全部届けろ!このまま負けて終われねえ!」と声を張り上げた。

再び心を一つにし、会場には『若き血』が響く。

その後の想定では、4年生の活躍によって慶大が追い上げる展開に。4番の代打・田雄亮(商4・慶應)が2点を返して同点に追いつくと、応援企画責任者のG.Hが壇上へ上がる。「あと1点で早稲田倒せるぞ、この時を楽しみに頑張ってきたんだろ」と声を張り上げた。

華々しいことをするために入部した應援指導部。スタンドで応援を引っ張るその裏には、決して華々しいだけではない努力の日々がある。オフの日も部室に足を運び、器材を準備したあの日。誰が見ているわけでもないが、パソコンと朝まで向き合ってきたあの日。

「俺たちの努力はもしかしたら報われないかもしれない。でも一つだけ。奇跡っていうのは、奇跡を信じた者にしかやってこない」と語った上で、「俺たちがやることは、早稲田を倒すために選手たちを信じることだ」と叫んだ。

5番の代打・村岡龍(商4・慶應)の場面では『朱雀』が流れ、ボルテージは最高潮に。最後は寳田裕椰(経4・三重)が左前適時打を放ち、慶大がサヨナラ勝ちを収める想定で総合練習は幕を閉じた。

総合練習の最後には、各責任者が練習を振り返り、慶早戦に向けて部員たちに言葉を送った。

野球サブのK.Sさんは、5点を追う苦しい状況から得点を重ねる想定をした総合練習を振り返り、「信じればこうやって点を取れる。慶早戦本番も、これを忘れないでほしい」と呼びかけた。続いてH.Sさんは、「どれだけ勝ちたいと思っていても、私たちができることには限りがある」とした上で、「誰よりも自分が一番思いを届けようとすることはできる。自分ができる力を最大限出し切ってほしい」と訴えた。また、S.Mさんは部員たちのハツラツとした応援を評価しつつ、「現状維持は退化」という言葉を引き合いに、慶早戦当日に向けてさらなる成長を求めた。

応援企画責任者のT.Yさんは、「神宮で迎える一戦は無数の努力の上で成り立っている」と語り、その思いを応援に乗せて体現することの大切さを強調。M.Eさんは「応援席にいらっしゃる観客の方は全員味方」と話し、応援席が一丸となって勝利をつかみ取ることを呼びかけた。G.Hさんも「過去最高の自分を出そう」と力を込め、本番までの準備の重要性を訴えた。

久保副代表は、部員たちの姿を見て「改めてこの部活は愛をくれる部員にあふれていて、その分自分も愛を返したいと思った」と語り、「部員みんなを信じています」と温かい言葉を送った。

最後に言葉を述べた坪井代表は、明大戦での敗戦について「めちゃくちゃ悔しかったし、怖かった」と率直な胸の内を明かした。一方で、「今日の総合練習でみんなに勇気をもらった。怖がっている自分がばかばかしくなった」と部員たちへの感謝を口にした。そして、「慶早戦が最後ではなく、その後も神宮で野球が続けられるよう、最後まで全員の応援を届けましょう」と力強く締めくくった。

 

苦しい展開でも決して諦めず、最後まで選手を信じて声を届け続ける。1時間半以上に及んだ総合練習は、応援の完成度を高めるだけでなく、部員一人一人が応援に懸ける思いを改めて確かめる機会となった。4年生にとっては集大成となる秋の慶早戦。これまで積み重ねてきた努力と勝利への思いを胸に、部員たちはいよいよ決戦の舞台・神宮球場へと向かう。

 

〜総合練習後インタビュー〜

坪井代表

ーーどのような思いで総合練習に臨んだか

勝ち点を落としてしまった明大戦から3週間空いた中で、準備を進めるとともに、部員のモチベーションを高め、慶早戦に向かう気持ちをしっかりと作ることを意識しました。また、これまで1年間積み重ねてきた応援を練習で発揮できれば、本番でも発揮できると思っています。そうしたことを確認しながら、総合練習を盛り上げたいという思いで臨みました。

 

ーー総合練習を終えての率直な感想

これまでの応援練習の中で、一番良かったと思っています。特に、選手が苦しい状況に置かれた時に、選手を支えられる人間になろうということは、これまでも部員たちに伝えてきました。今日の練習では、劣勢の場面でもみんなが良い表情で声を出していて、勝利につながる、最後まで諦めない応援ができていたと感じています。これなら早稲田の応援にも負けず、勝利につなげられるのではないかと思える練習でした。

 

ーー慶早戦に向けての意気込み

野球部の選手たちは、想像もできないほど厳しい練習を重ね、さまざまな困難を乗り越えてきたと思います。そうした選手たちの思いをくみ取り、自分たちも応援できる環境への感謝と、ひたむきに努力を続ける選手たちへの敬意を、声援や演奏、踊りを通じて届けたいと思っています。そのための準備は万全なので、あとは応援席に来てくださる方々と一緒に、一体感のある応援を届けるだけです。絶対に優勝します。

 

野球サブ

ーー野球サブとして、今回の総合練習に向けてどのような準備をしてきたか

K.Sさん:慶早戦で2連勝することだけを考えて準備してきました。一方で、慶早戦は本当に何が起こるか分からない試合だとも感じています。実際に、私たちが1年生だった2年前には、リーグ戦で苦しい状況にありながら慶早戦では2連勝したこともあれば、逆に早稲田に2連敗したこともありました。そうした経験を踏まえ、どんな状況でも諦めず、最後まで勝利を信じ続けることを意識して、今回の総合練習を作り上げました。

S.Mさん:慶早戦は、これまでの活動の集大成だと思っています。だからこそ、部員一人一人が持っている力を最大限に引き出すことを意識しながら、総合練習の準備を進めてきました。

H.Sさん:今年の野球部は非常に強く、勝利した試合も多かったからこそ、何が起こるか分からない慶早戦で、苦しい状況を迎えた時にどう応援するかを大切にしました。春の慶早戦第2回戦のように、勝てば優勝という状況で勝利を逃すことも起こり得ます。そうした場面でも、応援の力でいかに流れを変えられるかを意識しながら、試合想定を考えてきました。

 

ーー総合練習を終えての率直な感想

K.Sさん:まずは今日、慶早戦第0回戦に勝てたということに、しっかり自信を持ってほしいです。今日の練習でできたことを、慶早戦本番でも部員全員が発揮できるように、自分たちも慶早戦での振る舞いを意識していきたいと思います。

S.Mさん:慶早戦で2連勝するという目標は、部員全員が共通して持っているものだと思います。今回の総合練習を通して、絶対に2連勝するという気持ちを、より一層強くすることができていたらうれしいです。

H.Sさん:今回が自分たちの代で迎える最後の総合練習なんだと、部員たちの姿を見ながら実感しました。だからこそ、自分たちの代だからこそできることや、この代ならではのカラーを最大限に発揮しながら、いつも通り勝利につなげたいと思いました。

 

ーー慶早戦に向けての意気込み

H.Sさん:2連勝すれば優勝できるので、準備されたこの場を自分たちのものにして、「打倒早稲田こそ慶應義塾」をいつも通り果たしつつ、その先にある優勝をみんなで見れたらなと思います。

S.Mさん:今言ってくれたこともそうなんですけれども、私たちは日本一になることを最終的なゴールとしているので、日本一を逃すことは絶対にないし、絶対に日本一になるという気持ちがあります。そこへの通過点ではないですけど、一つの目標として慶早戦で2連勝してリーグ戦優勝することがあると思うので、それを果たせるように全員で塾野球部へ、最高で最強の応援をつくりあげたいです。

K.Sさん:絶対2連勝。打倒早稲田。

 

(取材、記事:梅木陽咲、小野寺叶翔 取材:塩田隆貴、野田誉志樹)