【野球部×應援指導部】ともに歩んだ仲間と、最後の慶早戦へ 塾高野球部同期4人が語る絆とそれぞれの思い

應援指導部

秋季慶早戦を目前に控え、大学野球最後の大一番に臨む4年生たち。かつて慶應義塾高校野球部でともに汗を流した仲間たちは、今、それぞれの立場から勝利を目指している。大学でも野球を続ける道を選んだ選手たちと、應援指導部に進み、スタンドから選手たちを支える仲間たち。進んだ道は違っても、互いを思う気持ちは変わらない。今回は、野球部の吉野選手と広池選手、應援指導部の坪井代表と応援企画責任者のG.Hさんの4人に、高校時代の思い出や互いへの思い、そして最後の慶早戦に懸ける意気込みを伺った。

インタビューの全編は、後日、弊会YouTubeチャンネルにて公開予定です。

 

ーー他己紹介

(坪井→広池):広池は高校時代に同じクラスだったんですけど、常に野球のことを考えていて、野球にひたむきに向き合い、努力を惜しまない選手だと思っています。野球が好きすぎるあまり、たまに変わったことをすることもあるんですけど、それも全て野球のためにつながっているので、そういう姿を尊敬していましたし、ずっと背中を追いかけてきた存在です。

(広池→G.H):とにかくスローイングが良くて、球筋もきれいで。ショートを守っていたんですけど、深い位置からでもピッチャーのような送球が来て、野手ではなかなか見られないような球離れや回転で、本当にいい球を投げるなと思っていました。人柄も裏表がなくて、こうして違う組織でも信頼され、役割を任されていることにもすごく納得できる、そんなG.Hさんです。

(G.H→吉野):吉野は本当に努力家で、結果も残すかっこいい男だと思っています。高校3年間同じクラスで、一緒にトレーニングジムや映画に行くような仲でした。それでも家に帰ればシャトル打ちや素振りなどの練習を欠かさず、努力とプレーで背中を見せてくれる姿をかっこいいなと思っていました。

(吉野→坪井):坪井君はピッチャーで、Aチームの試合ではあまりお目にかかる機会がなかったんですけど、ある時、球が遅すぎて打てないということが武器になって、Aチームの試合に出るようになりました。遅いボールももちろん武器になるんですけど、一つ伝説があって。塾高には室内練習場があるんですけど、そこで投球練習をしていた時に、坪井投手がカーブを投げようとしたら、右側のネットに当たってしまったんです。本人曰く「そこから本当は曲がるはずだった」と(笑)。坪井投手には室内練習場がちょっと狭すぎたと、そんな伝説があります。

 

ーーそれぞれ大学で野球部・應援指導部を選んだ理由

坪井:先ほど吉野の話にもあったんですけど、高校時代にけがをしてしまい、長いリハビリ期間がありました。けがをしたのが新チームが始まってすぐの時期で、苦しい時期もあったんですけど、最後に試合で投げることを目標に頑張っていました。その中で、広池や吉野をはじめ、同期のみんながすごく励ましてくれて、実際に最後の試合で投げた時には、本当にみんなが喜んでくれて。そうした仲間の存在がすごく支えになったので、自分も大学では誰かの支えになりたい、そして支えてくれた同期に恩返しをしたいという思いから、應援指導部に入りました。

G.Hさん:野球部時代の目標は背番号を取ることでした。自分たちの代になった時に、いろいろな巡り合わせもあって背番号をもらうことができ、ある意味で目標を達成して、野球に対する未練がなくなったような状態になリました。そこで、次は何をしようかと考え始めて、最初は高校に残ってコーチをすることも考えたんですけど、それ以上に趣味として好きだった音楽をやりたいという気持ちや、大学でいろいろな人と関わりたいという思いがありました。そんなことを授業中に考えていたら、ふと頭の中に『シリウス』が流れてきて。應援指導部なら人を応援できるし、野球部の同期もいる。頑張っている人たちの近くで野球部に関われるのも幸せなことですし、やりたかった音楽もできる。自分にとってすごくワクワクするなという直感があって、應援指導部に入りました。

広池:僕は慶應に中学から入ったんですけど、小学生の頃から東京六大学で野球をして、その先で野球で稼ぐという目標がありました。大学でも野球を続けて、さらに成長していくというのが昔からの夢だったので、そのまま野球を続けることを選びました。

吉野:僕はもともとプロに行くという目標がありました。中学時代に進路を考えた時に、高校の強豪校に進んでそこからプロを目指すよりも、大学まで進んで野球を続けたいと考えていたので、高校と大学がつながっている慶應が一番いいなと思いました。

それに加えて、これは後付けではあるんですけど、高3の夏に相模に負けたことも大きかったです。もちろん悔しかったんですけど、最初は「ああ、負けたな」という感じで。でも、グラウンドを出てG.Hの顔を見た瞬間に、ものすごく涙があふれてきて、自分は全然駄目な野球をしていたなと思いました。

だからこそ、高校時代の仲間はもちろん、応援してくれる人たちや、試合に出られなかった選手、スタンドにいるメンバーなど、いろいろな人の思いも背負って野球をしなければいけないと感じました。それが大学で野球を続ける中で、一番大切にしてきたことですし、G.Hや樹音に喜んでもらいたいという思いもありました。だからこそ、春に優勝できてよかったですし、秋もまた頑張りたいと思っています。

 

ーー応援する側、される側それぞれの立場から、応援の力を実感した瞬間や印象に残っている出来事は

広池:春の全国大会での応援がすごく印象に残っています。全国大会では応援文化のない大学と対戦することもあって、応援の違いを感じることがありました。実際に全国大会に出場して、慶應の応援は決して当たり前のものではないんだなと思いました。それまでも当たり前だと思っていたわけではないんですけど、改めて慶應の応援の素晴らしさが際立って感じられたというか。春の全国大会を通じて、慶應の応援の素晴らしさをより一層実感しました。

吉野:僕はもう常に感じています。どんな試合でも応援に来てくれますし、特にこの前の法政戦のような負けられない試合では、スタンドにいる選手はもちろん、應援指導部のみんなのためにも頑張りたいという思いがすごく強くあります。それだけで本当に大きな力になっていますし、そのおかげでこの前も打つことができました。

G.H:それこそ、今みたいに応援の力を実感していると言ってもらえると、本当に嬉しいです。応援は自分たちから発信するもので、それが返ってくるかどうかは分からないけど、信じ続けることが大切なのかなと自分は思っています。なので、少しでも力になれていればという思いで、神宮でも応援しています。

それと、僕が今一番大事にしているのは、朝の挨拶で。朝、野球部の選手たちが神宮の周りをランニングしているんですけど、そこで選手たちに声をかけることを大切にしています。朝から知っている人に会えるだけでも嬉しいじゃないですか。ましてや、それが友達や今までずっと一緒にやってきた仲間だったら、安心感もあるんじゃないかなと思っていて。そういう思いもあって、朝一番に顔を見せることを大切にしています。

坪井:僕も今みたいに、実際に応援についての声を聞けた時が、一番応援の力を実感する瞬間かなと思います。もちろん普段から、いい応援席を作りたいとか、試合終盤に応援席を盛り上げて流れを作りたいという意識でやっています。ただ、一番頑張っているのは選手たちで、選手たちが大事な場面で打って逆転したり、勝つ姿をたくさん見せてくれたりすることで、応援席も盛り上がるんです。自分たちも選手の力になりたいと思って応援していますけど、こうして実際に選手たちの声を聞くと、自分たちの応援がちゃんと伝わっているんだなと実感できて、すごく嬉しいです。

 

ーー特に好きな応援歌・応援曲とその理由

広池:僕は「頑張れ頑張れ広池」です。投球練習中は特に静かなので、応援の声がよく聞こえて。自分もまだ試合に入り込んでいるわけではないので、応援が聞こえてくると、やっぱり嬉しいですね。

吉野:僕はやっぱり『若き血』です。自分が打った時に流れるので、「俺のバットで『若き血』を響かせているぜ」みたいな気持ちになります(笑)。もちろん他の応援曲も全部ありがたいんですけど、その中でも特に好きな曲ですね。

坪井:全部好きなんですけど、特に『ソレイユ』という曲が好きです。僕はトランペットを担当しているんですけど、メロディーがすごく軽快で、吹いていて楽しいんです。応援席の皆さんもメガホンを回してくださるので、音楽だけでなく、視覚的にもすごく迫力があって、応援に立体感が生まれるというか、応援席が一つになっている感じがします。ちなみに「ソレイユ」はフランス語で「太陽」という意味で、実は吉野の打席でも結構使ったりしています。

G.H:僕は『ダッシュケイオウ』です。自分は応援指揮の責任者を務めていて、「ホームラン、ホームラン」とテクをする時は応援席の方を向いているんですけど、その光景がもう圧巻なんです。『ダッシュケイオウ』が流れるのは、ランナーが二塁、三塁にいるようなチャンスの場面で、応援席の皆さんも一番興奮している時なんです。「あと少しで点が入るぞ」「吉野が打つぞ」という期待感が高まる場面で流れる曲なので、そういうところも含めて好きですね。

ーー野球部の2人から應援指導部の2人に伝えたいこと

広池:ラストシーズン、死力を尽くして必ずやりきるので、心の底から信じてほしいなと思います。最後まで持てる力を振り絞って、自分たちのやるべきことをしっかり果たしたいと思います。

吉野:僕らは野球部の同期と同じぐらい、酸いも甘いも経験してきた同期の仲間のようなものだと思っています。最後は絶対にみんなでいい思いをして終わりたいですし、僕らもそのつもりなので、これからもよろしくお願いします。

ーー今度は逆に、應援指導部の2人から野球部の2人に伝えたいこと

坪井:最初に入部のきっかけとして、みんなに恩返しをしたいという話をしたんですけど、その恩返しをしたいという気持ち以上に、今までみんなからすごく元気をもらってきていて。自分たちが応援しているのに、逆に元気をもらえるというのは本当にありがたいことだと思っていますし、最後のラストシーズン、その恩返しの想いを応援で届けたいと思っています。

ここから苦しい場面やつらい場面もあるかもしれないですけど、そういう時こそ支えになれるような応援を届けたいですし、応援席は誰一人諦めず、最後まで応援し続けるので、少しでもみんなの支えになれればと思っています。

G.H:感覚的には、まだ野球部の7年目にいるつもりで。一緒に頑張ってきた仲間が最後の試合を迎えるという感覚で。ここまで一緒に頑張ってこられたのも、やっぱり彼らの存在があったからこそだと思っています。頑張っている仲間をそばで支えたい、少しでも何かを届けたい、少しでも力になりたいという思いで、この4年間やってきました。

だからこそ、最後まで彼らを信じて応援するつもりですし、以前から「優勝パレードを一緒に歩きたいね」という話もしていたので、もう一度チャンスがあるなら、ぜひ実現させたいと思っています。それをモチベーションに、最後まで応援し続けたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

ーーケイスポ読者へ

吉野:いつも応援ありがとうございます。プライドにかけて絶対に負けられない試合なので、應援指導部と選手が一体となって、必ず優勝します。応援よろしくお願いします。

坪井:いつも応援ありがとうございます。最後のシーズン、この2人が言っていたように、應援指導部も最後の力を振り絞って、全力で応援を届けていきます。ぜひ最後まで選手を信じて、諦めない応援席を一緒に作り、優勝の瞬間をともに見届けたいと思います。応援よろしくお願いします。

 

(取材:梅木陽咲、中原亜希帆、小野寺叶翔)