【ラグビー】序盤から苦しい展開。四連続トライで反撃するもジュニア初勝利ならず/関東大学ジュニア選手権①VS早大Jr.

ラグビー

初戦からライバル・早大と激突

関東大学ジュニア選手権カテゴリー1 vs早稲田大Jr.

慶大26-63早大

10月5日(土) 13:00K.O.

@慶大日吉グラウンド

 

 

 

 

ラグビーW杯日本大会での日本チームの活躍に国民のラグビー熱が高まる中、関東大学ジュニア選手権が開幕。慶大も初戦を迎えた。その相手はライバル早大。対抗戦に先駆け、慶大のホームグラウンドで一足先に慶早戦が繰り広げられた。

序盤から早大に立て続けにトライを奪われた慶大は、中盤での四連続トライで反撃するも、最後まで流れを掴みきれず26ー63で敗戦を喫した。

T=宮本、佐々木、大谷、濱野 G=田中優3

試合前に円陣を組む選手たち

開始早々、慶大は自陣深くでのプレーを強いられる。まずは前半3分、自陣ゴール手前での相手ボールのラインアウトでモールを形成されそのまま押し込まれるもなんとかトライは許さなかった。しかし続く前半7分、またも自陣ゴール手前での相手ボールのスクラムから、早大のBK陣にボールをテンポよく回され先制トライを奪われる。キックも決まり0-7。その後も早大ペースで試合は進んだ。早大の正確なキックパスや鮮やかなステップに終始翻弄され、試合開始30分が経過するも一向に反撃の兆しが見えないまま0-42と大量リードを許した。このまま相手ペースで前半を折り返すのかと思われた前半37分。相手ペナルティからハーフウェイライン付近でのスクラムから、SH高野倉健生(商4・慶應志木)がボールを持ち出すと、WTB佐々木隼(総1・桐蔭学園)につなぎ大きくゲイン。その後バックス陣が右サイドに大きく展開し、最後はWTB宮本恭右(総3・慶應)がトライ。待ち望んでいた初得点を挙げた。

今年度対抗戦にも出場している宮本

このトライで勢いのついた慶大は、早大ディフェンスの壁を破り大きくゲイン。前半終了間際に相手ゴール手前でスクラムを獲得すると、粘り強くパスをつなぎ、最後はWTB佐々木が左サイドを勢いよく駆け抜けトライを奪った。SO田中優太郎(経4・慶應)のキックも決まり、12-42として試合は折り返した。

佐々木のトライ

後半に入っても慶大の反撃はとどまるところを知らない。

開始早々、相手キックをキャッチしたWTB佐々木がそのまま抜け出し大きく陣地を奪う。ハンドリングミスもなく、じわじわと攻め込むとFL大谷陸(政3・慶應)がボールを持ち出し中央にグラウンディング。キックも成功し19-42。その直後の後半4分にはこの試合大活躍のWTB佐々木が自分で蹴ったボールを自ら抑え、インゴールに迫る。その後、FW陣が中央に展開しトライ。キックも決まって26-42と着実に点差を縮めた。四連続でトライを奪った慶大は、このまま慶大ペースで試合を進められるかと思ったが、猛追もここまで。再び早大の攻撃に苦しむ展開に。後半15分と36分には早大のフォワード陣のパワーに圧倒される。自陣深くでの相手ボールラインアウトからモールを形成され、そのままトライを奪われ点差を広げられる。さらに試合終了間際にも自陣でターンオーバーされ、トライを許し26-63でノーサイド。ジュニア選手権初勝利は次戦に持ち越しとなった。

宮本以外にも小谷田をはじめ、実績のあるバックス陣で挑んだものの敗れた

「やりたいことができなかった(FL大谷)」と選手が口にするように、思い描いたゲームを展開することができなかった慶大。それに対し早大は多彩な攻撃と我慢強い守備で思い通りのプレーをすることができていたように思われる。「最初のスイッチが入っていなかった」とゲームキャプテンのSH高野倉は悔しい表情を見せたが、序盤に相手ペースに持ち込まれずに、自分たちで試合をつくっていくことが大切になってくるだろう。

課題の修正が待たれる

ジュニア選手権は残り3試合。そこで勝利を収めることはもちろんのことだが、選手たちは11月から再開する対抗戦での活躍まで見据えている。黒黄のジャージを着て大舞台で戦うというもう一つの目標に向かって。

 

(記事:相良葉子 写真:刀禰仁生、堀内大生、長谷川健太)

 

次戦vs明大Jr.

10月13日(日)13:00K.O.

@明治大学八幡山グラウンド

 

 

以下メンバー表、試合後コメント、星取表

◇メンバー表

Starter

1.PR(プロップ) 松岡勇樹(法1・慶應)

2.HO(フッカー) 田中慶伸(総2・桐蔭学園)

3.PR(プロップ) 鈴木悠太(政1・慶應)

4.LO(ロック) 川端隼人(理4・國學院久我山)

5.LO(ロック) 池田勇希(商3・熊谷)

6.FL(フランカー) 内田尚輝(経4・慶應)

7.FL(フランカー) 大谷陸(政3・慶應)

8.No.8(ナンバーエイト) 濱野剛己(総3・桐蔭学園)

9.SH(スクラムハーフ) 高野倉建生(商4・慶應志木)

10.SO(スタンドオフ) 田中優太郎(経4・慶應)

11.WTB(ウィング) 佐々木隼(総1・桐蔭学園)

12.CTB(センター) 鎌形正汰(商3・慶應)

13.CTB(センター) 三木亮弥(環3・京都成章)

14.WTB(ウィング) 宮本恭右(総3・慶應)

15.FB(フルバック) 小谷田尚紀(経3・慶應志木)

Booster

16. 山本英晴(商4・慶應)

17. 竹内寛(政3・慶應)

18. 室星太郎(総4・静岡聖光学院)

19. 富澤友凱(経1・慶應)

20. 関本圭佑(商3・慶應志木)

21. 安藤快(経3・慶應志木)

22. 菅涼介(政2・慶應)

23. 安西浩昭(政4・慶應)

 

◇試合後コメント

ゲームキャプテン:SH高野倉健生(商4・慶應志木)

――試合を終えての率直な感想

序盤に一気にトライを取られてしまい、相手に好きなことをやらせてしまったことが敗因だと思います。その後は自分たちのペースになって、自分たちがやりたいことができるようになり4連続でトライを取れた場面もありましたが追いつけませんでした。

 

――今日のゲームプランは

ずっとやってきたこととして、ディフェンスでは相手1人に対して2人で働きかけることでボールを遅らせ、アタックでは速いセットをしてテンポよく攻撃することを心掛けましたが、前半はそれができませんでした。

 

――前半攻め込まれてしまっていた時にチームではどのような話をしましたか

攻め込まれている部分がどこなのかはわかっていたので、相手のテンポを遅らせようと声掛けはしていたのですが、そこの修正に時間がかかってしまいました。

 

――相手選手がキックを多く使ってきましたが、キックへの対応はどうでしたか

競り合いの部分ではコミュニケーションをとろうと話をしていて、コンテストキックなので取られてしまったら取られたときなりの対応をして、取ったときには速くセットをしようと話していました。

 

――前半の途中から後半にかけて追い上げましたが

そこの時間帯には、自分たちがボールを持ってアタックをすればしっかり通用したので、トライを取れる場面も多かったと思います。

 

――今日の試合で出た課題と次戦への意気込みを

最初のスイッチが入っていると思っていたが入っていなかった部分がポイントだと思っているので、次は最初から15人が15人ともスイッチを入れて試合に臨みたいです。また、スイッチが入っていない原因を振り返って次の試合に活かしたいと思います。

 

 

H O田中慶伸(総2・桐蔭学園)

――今日の試合を振り返って

後悔が残る試合となりました。自分をもっと出し切るプレーをすれば良かったです。

 

――FW陣の総括を

スクラムに関しては最初の入りは良かったのですが、疲れてきたときに少し甘くなってしまい、重心が高くなったところを早大に突かれる形となってしまいました。疲れたところでさらに低く当たれるスクラムを作っていきたいと思います。

 

――スローワーとしてラインアウトを振り返って

全然獲得率が高くなかったのでそこは修正するべき点であり、僕のスローも修正が必要だと思います。

 

――前半と後半の違いについて

前半の終わりに2トライを返して終われたことが大きく、ハーフタイムでもう一回気を引き締めようと臨んだ結果が後半しっかりはまった要因かなと思います。

 

――今後に向けて

今日の試合は課題が多く見つかる試合だったので、一つ一つ丁寧にやっていきたいと思います

 

 

FL大谷陸(政3・慶應)

――今日の試合を振り返って

やりたいことができなくて早大さんの流れに付き合わされました。不完全燃焼であっという間に終わったという感じです。

 

――具体的にできなかったところは

たくさんあります。強いて言うなら入りの部分で早大に2本、3本決められてやっと火がついたという感じです。入りの部分で自分たちからやってやるぞというマインドをもっと持つべきでしたね。

 

――セットプレーで苦戦しましたが

練習するのみです。

 

――後半の出だしが良かったですが

前半の出だしが良くなかったので後半は0-0のマインドでやってやるぞということをハーフタイムで話しました。その結果、出だしは良かったですが、その時間帯を続けたかったです。

 

――トライを決めた場面を振り返って

前に空いているスペースに走っただけです。対抗戦の筑波大戦からトライを上げられなかったので結構練習してきました。僕がトライしましたが、あそこからトライできて良かったです。

 

――今後に向けての意気込み

ジュニア戦はあと3試合です。しっかり反省して勝っていきたいです。後半の対抗戦に出れるセレクションがあると思うので明大戦、早慶戦、帝京戦に出場できるように頑張りたいです。

 

 

WTB佐々木隼(総1・桐蔭学園)

――今日の試合では、チーム内でどういった課題を共有していましたか

ここ1週間、ブレイクダウンのところにフォーカスして、ディフェンスは(練習を)やってきました。バックス陣のアタックで言えば、外に振る時の振り方やスペースの取り方を意識してやってきました。(今日の試合では)それができた場面も見えたんですけど、比較的まだまだ変えていける部分も多かったかなと思っています。

 

――具体的にどういったところが変えていける部分でしょうか

ブレイクダウンはあまりわからないですけど、バックス陣の外に振る時のスペースの取り方では、外側と内側がしっかりコミュニケーション取れている時は上手くいきました。できてない時はできていなかったので、そこが変えていける部分だと思います。

 

――前半戦早稲田のバックス陣によく走られていました。原因はどこにあるとお考えですか

最初は全員が様子を見てしまったというメンタル部分のところで、受けに回ってしまったということが原因になりました。

 

――早大のディフェンスの印象はどうでしたか

(慶大の)アタックは上手い選手がたくさんいると思うので、(早稲田のディフェンスに対しては)ボールを持った時に空いているスペースを見つけて、ボールを呼べるかどうかが大事だと思っていました。ポジションをしっかり決めて空いていたらどんどん呼んで、シンプルに空いてるスペースを攻めるために必要なことを徹底してやっていました。

 

――チーム全体として前半はキック、後半はランが多めだったように感じました。チームとしての狙いは何かありましたか

基本的に前半後半という分け方ではなく、(前半は)自陣に差し込まれてから脱出するという意味でキックを使いました。むしろ後半に風上にいたので、もっとキックを使っていいんじゃないかという声が出てきましたね。

ただ単に蹴るんじゃなくて、陣地をどうやって取っていくか、どこから蹴るかを意識していました。

 

 

――佐々木さんご自身の今後の目標をお聞かせください

ジュニア選手権で勝つのも大事なんですけど、自分が目指しているのはもっと上のカテゴリーなので、もう一個上のカテゴリーで活躍できるように頑張ります。

 

 

CTB鎌形正汰(商3・慶應)

──試合を振り返って、率直な感想を

序盤のところで相手の様子を見てしまった選手が多くて、雰囲気に呑まれてしまいました。ですが、途中からは自分たちのラグビーをしていいプレーができていたと思います。試合の最初から100%で、相手を呑むような気持ちでプレーするべきだったことが反省点です。

 

──今日のゲームプランは

まず、アタックとしては「テンポアップ」ということを意識していました。アタックのテンポを上げるために、ブレイクダウン周りで激しくプレーすることを心掛けていました。ディフェンスでも「相手のテンポを遅らせる」ことを意識し、そのためにブレイクダウンでは1つのポイントに対して2人選手が2つの仕事をする、というテーマがありました。さらに今日は10月にしては気温が高かったので、バックス陣としてはしっかりとエリアをとって前でプレーをしたかったのですが…あまりうまくいかなかったので、そこは反省点です。

 

──今日は途中からSOに入られていましたが

そうですね。SOに入ったあたりから身体の方が少しきつかったこともあり、自分の思い通りのプレーができませんでした。もっと鍛え直していきたいです。

 

──ご自身のプレーを振り返ってよかった点は

自分としては、前に出ることのできた場面も多かったですし、いいプレーはできたと思います。そこは継続していきたいです。ですが反省点も多かったので、さらにもう一つ上のステージに上がれるように練習していきたいと思います。

 

──今日の試合の26ー63というスコアについては

現時点での早稲田との差を感じました。もっと危機感を持って、秋の対抗戦では逆転して勝利できるように頑張ります。

 

──今後に向けて

今日は負けてしまいましたが、次の試合からは一度も負けることなく全て勝ちたいです。いい流れで対抗戦を戦って選手権に入れるように頑張りますので応援よろしくお願いします。

 

 

◇星取表

 

明治大

東海大

帝京大

慶應義塾大

早稲田大

勝点

明治大

 

24○21
3T3G1PG

0●61

10/13 13:00
明治G

10/27 13:00
明治G

4

東海大

21●24
2T2G1PT

 

19●49
3T2G

10/27 13:00
慶應義塾G

10/20 13:30
東海G

1

帝京大

61○0
9T8G

49○19
7T7G

 

10/20 13:00
帝京G

40○7
6T5G

15

慶應義塾大

10/13 13:00
明治G

10/27 13:00
慶應義塾G

10/20 13:00
帝京G

 

26●63
4T3G

1

早稲田大

10/27 13:00
明治G

10/20 13:30
東海G

7●40
1T1G

63○26
9T9G

 

5

 

順位決定方法(関東ラグビー 協会HPより)

各カテゴリー内の順位は、勝ち点の合計により決定する。
(1) 順位の決定にあたり、勝ち点制を採用する。全試合終了時点で、勝ち点の多い順に順位決定を行なう。
(2)各試合の勝ち点は、勝ち4点、引き分け2点、負け・棄権0点とする。
棄権されたチームには4点を与える。
(3)ボーナス点として以下の勝ち点を与える。
1)負けても7点差以内ならば、勝ち点1を追加
2)勝敗に関係なく、4トライ以上獲得したチームに、勝ち点1を追加
(4)全試合終了時点で勝ち点が同じ場合、次の各号の順序により順位を決定する。
1)当該チーム同士の試合で、勝っているチームを上位とする。
2)特に三すくみのケースでは、次の(3)以下の順序により、決定する。
但し、その過程で1チームの順位が確定した時点で、残りのチームの順位は(1)に戻るものとする。
3)リーグ戦全試合の総トライ数の多いチームを上位とする
4)リーグ戦全試合トライ後のゴール数の多いチームを上位とする
5)当該チームで抽選を実施
3)、4)において、不戦勝などの理由で対象試合数が少ない場合は、並んだチームと不戦敗があるチームとの対戦をすべて除く。
(5)全試合終了時点で最も勝ち点の多いチームを1位とする。

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