【ソッカー(女子)】関東リーグ後期第6節 最下位チーム相手に0封負け 残留争いは最終節へ持ち越しに 関東学園大戦

前節、終了間際の劇的弾で2連勝を飾った勢いのまま、今節は前回対戦で勝ち点3を奪った最下位の関東学園大と激突した。序盤からポゼッションを高めて主導権を握り、幾度となく決定機を生みだす慶大。しかしなかなかゴールを揺らせず。43分にセットプレーのこぼれ球からロングシュートを決められ先制を許すと、後半も相手の再三の好守もあり、終わってみれば完封負け。運にも見放されたシーンもあり、最後まで1点が遠かった。

 

第24回関東女子サッカーリーグ 後期第6節 vs関東学園大学

2018/08/11(土)11:00KO @関東学園大学サッカーグラウンド

【スコア】

慶應義塾大学0-1関東学園大学

【得点者】

0-1 44分 永盛美咲 (関東学園大学)

 

◇慶大出場選手

GK志鎌奈津美(環4・常盤木学園)

DF足立智佳(環2・大阪桐蔭)

DF加藤楓琳(総3・常盤木学園)

DF中井里衣子(総1・岡山作陽)→高月彩香(環1・村田女子)

DF奥本くるみ(環3・浦和レッズレディースユース)

MF勝木日南子(総3・大和)

MF平田朋(環1・日ノ本学園)

MF中島菜々子(総4・十文字)

MF庄司夏穂(総3・聖和学園)

FW松木里緒(環3・常盤木学園)

FW山本華乃(理2・山手学院)

連日の猛暑の中、群馬県は関東学園大学グラウンドに乗り込んだ慶大。勝てば自動降格を回避し、負ければ自動残留の可能性が潰えるという大事な試合となった。国体選出で主力数名を欠いた中、4-2-3-1のフォーメーションで1年生の中井里衣子(総1・岡山作陽)がセンターバック、右サイドには庄司夏穂(総3・聖和学園)が入った。

前半は右サイドの奥本を中心に何度もチャンスを作った

試合開始から比較的ゲームをコントロールしたのは慶大。9分には左CKから中央で中島菜々子(総4・十文字)が競り、こぼれ球を奥本くるみ(環3・浦和レッズレディースユース)がロングシュート。序盤から果敢にゴールを狙う。12分、トップ下の松木里緒(環3・常盤木学園)が左サイドでボールを受け中央に絶妙なスルーパス。しかしこれは山本華乃(理2・山手学院)に合わず。続く13分、奥本が右サイドをえぐってクロスを上げるとゴール前でフリーの山本へ繋がったが、これをミートできず決定機を逸する。20分には関東学園大の反撃。完全に左サイドの裏に抜けられるも、飛び出したGK志鎌奈津美(環4・常盤木学園)が横っ飛びでスーパーセーブ。後方からチームを鼓舞する。23分、今度は慶大が立て続けに決定機を迎える。中央の平田朋(環1・日ノ本学園)を経由し、右サイドを駆け上がった奥本がグラウンダーのクロスを供給。ゴール前で松木がスルーし、後ろに控えた山本が今度は強烈なシュートを放つも相手GKの好守に阻まれる。また、これで得た左CK から勝木日南子(総3・大和)が放ったシュートも枠内を捉えたが、またも弾かれてしまう。そして迎えた44分、セットプレーから最後はPA外からミドルシュートを叩き込まれて先制を許す展開に。45+2分にも奥本がグラウンダーのクロスで決定機を演出したがまたも相手GKの好守でゴールとはならず。度々の右サイドからの攻撃を生かせず、1点ビハインドで前半を折り返す。

 

後半終了間際には怒涛の攻めを見せるも得点には至らず

後半も後ろから繋ごうとする慶大に対して、関東学園大は引いて守ることはせず高い位置からのプレスを続行する。後半開始早々、松木が高いディフェンスラインの裏に抜け出すも1対1を決められず。53分には中島が遠めからゴールを狙ったがこれはGK正面へ。61分、一際大きな声でプレーをしていた中井に代わって、同じく1年生の高月彩香(環1・村田女子)を投入。しかし幾分暑さが和らいだ影響もあってか、相手の運動量が衰えず次第にパス回しのリズムが悪化。慶大は我慢の時間が長くなる。だが、ここを耐えて終了間際に攻勢を強めると82分、中島が中央でフリーの山本にピンポイントでクロスを供給。88分にもGKが弾いたところに山本が詰めたがいずれも同点弾とはならず。更に後半アディショナルタイムには5度、セットプレーのチャンスを獲得し猛攻を浴びせるも遂にネットを揺らすことはできなかった。試合後、伊藤洋平監督は「運がなかった」と嘆いたが最後まで1点が遠かった慶大。取りどころで勝ち点を伸ばすことができず、関東リーグ残留争いは12月8日の最終節までもつれることとなった。

次の大学リーグに向けて気持ちを切り替えたいところだ

試合の主導権を握って決定機を再三作りながらも相手の好守に阻まれるなど、必ずしも内容に即した結果とは言えない試合であった。決定力が伴わなかったのも事実だが、伊藤監督も「内容的にはポジティブに捉えている」と語り、最下位相手に0封負けとはいえ彼女らの成長が鈍っている訳では決してない。むしろアタッキングサードでの点を取るビジョンは以前より格段に明確になっており、決定機の数は今季最多だったのではないだろうか。再来週に開幕する本命の大学リーグに向けて視界は悪くない。主将の中島も「ここからが本当の勝負」と気合は十分だ。「インカレベスト4」達成へ、ここからの慶大の快進撃に期待したい。

(記事:柴田航太郎 写真:高橋春乃、岩見拓哉)

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以下、試合後コメント

伊藤洋平監督

――試合を振り返って

まあちょっと運が無かった試合かなと思います。でもやっぱり、相手の息の根を止められる時に止めておかないと息をふきかえしてしまいますし、逆に刺し殺されるなと。そういった試合でした。よくあるサッカーの展開なので、まあこれから慣れていかなきゃいけないと思います。

――攻めながらも結果的に1点が遠かった

でも狙っている形はすごくたくさん出ていて、アタッキングサードでかなり数的優位を作れていたシーンもあったので、内容的にはすごくポジティブに捉えています。

――後半はパスがうまく回らなかった印象もあったが

あっちの圧力のかけ方も変わってきてはいましたけど、まあちょっと前に急ごうとする選手とじっくり相手を動かそうとする選手がいて、統一感が無くなってしまったというか、そこが上手くいかなかったですかね。

――次節、そして大学リーグ開幕戦に向けて

目の前の試合を1試合1試合やっていくだけなので、2週間後には大学リーグも控えているので、それまでに成長できるように頑張りたいと思います。

 

中島菜々子(総4・十文字)主将

――試合を振り返って

自分たちのペースでボールを持つことができていたからこそ、本当に勝ち切らなきゃいけない試合だったと思います。

――主力を数人欠くこととなったが、準備は難しかったか

そこに関しては全然、いつもやっていることをやるだけだったので、確かにいつもと違うペアだったりしたのでそこはいつもより多くコミュニケーションを取るとかはしましたけど、サッカー的な部分ではやりたいこともやれていたし、チャンスも作れていたので問題なかったと思います。

――平田選手とボランチでペアを組んで、しばしば攻撃の起点になった

そうですね。思ったより中盤へのプレッシャーが少なかったのが大きかったと思います。

――残留争いを考えると負けたくない試合だった

勝ち点や自分たちの立ち位置的にもやっぱり絶対勝たなきゃいけない試合だったし、ゴール前でのチャンスも自分たちの方が多かったと思うので、勝たなきゃいけなかったと思います。

――関東リーグは残すところあと最終節のみとなったが

自分たちはもう勝つしか1部に残留できる方法はないと思っているので、絶対勝って終わりたいと思います。

――本命の大学リーグ開幕に向けて

8月末から、今年はインカレを狙える位置にいて、インカレベスト4という目標を掲げているからこそ、ここからが本当の勝負になると思うので、あと2週間、全員で大学リーグに向けて頑張っていきたいと思います。

 

 

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