【アメフト】ルーキー・戸田が4戦連続INTも逆転負け 中大に敗れ日本一の夢途絶える/関東学生1部TOP8第5節vs中央大学

アメフト

慶大はRB・橋口塁(商4・慶應湘南藤沢)のファーストプレーでのタッチダウンで先制するも、中大のランを中心とした攻撃に苦戦。第2Qには同点に追いつかれ、LB・戸田旭(総1・慶應)が4試合連続となるインターセプトを決めるも、直後に慶大もインターセプトを許し、逆転される。第3QにはWR・早川開志(総2・慶應NY)の約40ヤードのランで1TD差に迫るが、その後は中大に主導権を握られる。終盤にもWR・若月伶士郎(商4・慶應)がタッチダウンを決めるも、反撃及ばず20-42で敗戦。今季リーグ戦4敗目を喫し、日本一への夢は潰えた。

1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
中央大学 0 14 14 14 42
慶應義塾大学 7 0 7 6 20

2026年10月18日(土)11:00~ 関東学生アメリカンフットボール1部TOP8第5節vs中央大学@アミノバイタルフィールド

第1Q

大のオフェンスから始まるこの試合。自陣25ヤード付近から攻撃を開始する。すると、いきなり試合が動く。RB・橋口がファーストプレーで中央を突破し、そのままエンドゾーンまで駆け抜ける。TFPも並里桜輝(経2・慶應NY)が確実に決め、0-7。これ以上ない最高のスタートを切る。

ただ、今年の中大も油断できない相手だ。QB・小野一真(法3・IMG Academy)とRB・山口典誠(商3・箕面自由学園)を中心に、ランでじりじりと攻撃を進めるのが最大の特徴。その自慢のランを軸に着実にフレッシュを重ねていくが、慶大も黙ってはいない。主将のDL・天野甲明(政4・鎌倉学園)がQB・小野にリズムをつかませる前にタックルを決めるなど、この試合に懸ける気概を見せる。さらに、守備陣が連携して中大の攻撃を食い止め、4thダウンへと追い込む。

続く慶大の攻撃では、WR・冨安航大(経2・慶應)へのパスが通り、RB・田中玄樹(理3・本郷)のランでも着実に前進する。エンドゾーンまで残り30ヤードに迫ると、WR・冨安へのディープパスを試みる。しかし、相手ディフェンスの好守に阻まれ、惜しくもキャッチには至らない。その後、WR・佐藤勇太(総3・慶應)へのパスを成功させると、QBを滝沢徹(経3・慶應)から俊足が持ち味の依田一真(理3・都立西)に交代。依田の足を生かしてエンドゾーンを目指すも、4thダウンに追い込まれる。ここでK・並里桜輝(経2・慶應NY)が残り30ヤードからFGを試みるが、惜しくも失敗。慶大は得点のチャンスを逃す。

慶大は中大のランを中心とした攻撃に苦戦するも、守備陣が粘りを見せる。ここまで3試合連続でインターセプトを記録しているLB・戸田も、持ち前の野性的なボールへの嗅覚を発揮。相手にパスが渡るとすかさずタックルを仕掛け、ロスを奪うなど存在感を示す。こうした守備陣の奮闘もあり、第1Qは中大の攻撃を抑え込むことに成功する。

第2Q

第2Qも中大の攻撃が続く。LB・山下敬輔(法3・慶應)が必死のタックルで食い止めるも、最後はパスを通されタッチダウン。TFPも成功し、7-7の同点に追いつかれる。

追いつきたい慶大は、RB・鶴田眞司(経1・慶應)のランなどで前進を図るが、相手ディフェンスに阻まれ攻撃権を手放す。続く守備では、DB・加藤雄大(理3・本郷)やDB・小平涼介(政1・慶應)がパスカットを決め、中大のフォルススタートもあって早々に攻守交代。慶大は再びランを軸に攻め、K・北村朔也(商3・宇都宮短大附属)が40ヤードのFGを試みるも、惜しくも失敗する。

それでも、続く守備で小平がはじいたボールを戸田が確保し、4試合連続となるインターセプトを記録。しかし、直後の攻撃でQB・滝沢のパスが浮き、痛恨のインターセプトを許す。この好機を生かした中大にロングパスからタッチダウンを奪われ、14-7と逆転を許して前半を終える。

第3Q

1ポゼッション差を追う慶大だが、3Q開始からわずか1分20秒、相手QBのスクランブルから約70ヤードのタッチダウンを許し、20-7と点差が広がる。それでも慶大は諦めない。直後の攻撃で反撃の糸口をつかむと、WR・早川がWR・富安のブロックを生かし、左サイドライン際を一気に駆け上がる。相手守備陣を振り切り、約40ヤードを走り抜いてタッチダウン。

RB・橋口への警戒が強まる中、その裏を突いた意表を突くプレーで得点を奪った。富安の献身的なブロックも光り、TFPも成功。21-14と再び1ポゼッション差に詰め寄り、試合の流れを引き戻す。しかし、その後は中大守備陣に攻撃を阻まれ、インターセプトを許すなど、徐々に相手に主導権を握られる。追い上げの勢いを維持できないまま、勝負の最終Qへと突入。

第4Q
逆転を狙う4Q、慶大はパスを中心に攻撃を組み立てるも、不成功が続く。QBを滝沢から依田に交代して流れを変えようとするが、中大にタッチダウンを許し、点差は広がる。
残り2分を切ると、RB・橋口がドローから約50ヤードを駆け抜け、敵陣10ヤード付近まで迫る。しかし、ここでもインターセプトを許し、さらに失点。
残り3秒のラストプレーでは、WR・若月伶士郎(商4・慶應)がパスをキャッチしてタッチダウンを決めるも、反撃はここまで。42-20で試合終了。先制に成功した慶大だったが、その後は中大に主導権を握られ、今季リーグ戦4敗目を喫した。

DB・柳原聡磨(政3・慶應)
ーーまず、今日の試合を振り返ってみていかがですか。
ディフェンスとして用意してきたアジャストができた部分もありましたが、もったいないところでサードダウンロングを作ってもQBに走られたり、練習でもやっていたようなミスを修正しきれなかった部分がありました。そこで余計な失点につながってしまい、反省点の多い試合だったと感じています。
ーー全体的にディフェンスを見て、「これができていたら勝てていたのではないか」という要素はありますか。
試合中に自分たちは「パスが来る」と思ってパス対策ばかりをしていました。相手は自分たちがマンツーマンだと分かっていてランに切り替えてきていたのですが、そこにうまく対応できず、パス対策のサインのまま固執してしまったのが原因です。しっかりそこでランへのアジャストのサインに切り替えて対応できていれば、もう少し点差を縮められたのではないかと思います。
ーー次回は立教戦かと思いますが、ディフェンス全体としてどのように修正していきたいですか。
ディフェンスのフィニッシュですね。今回もフィニッシュを意識して臨んだつもりでしたが、満足できるようなプレーができませんでした。しっかりとフィニッシュを意識しつつ、立教もパスが得意なチームですので、ランとパスの両方をしっかり対策して準備していきたいです。
ーー最後に、次節に向けた意気込みをお願いします。
今日は自分としても「もっとできた」と思う部分があり、チーム全員も同じように感じているはずです。練習で話し合ってきたコミュニケーションなどの部分がうまく出せなかったので、次こそは練習で取り組んできたことを出し切り、しっかりと勝利につなげたいと思います。

積み重ねた進化を、勝利という形に

この試合をもって、慶大の全国大会出場の可能性は潰え、日本一への道は絶たれた。しかし、昨季からチームが着実に成長していることもまた、間違いない。昨年の主力が多く卒業した今季は、出場機会の少なかった下級生が台頭。TE・大島拓翔(政1・慶應)やLB・戸田旭(総1・慶應)らルーキーも存在感を発揮し、チームを支えている。

試合内容にも成長の跡が表れる。昨季は大敗を喫した明大相手に、今季は終了間際のFG失敗で惜敗。さらに、昨年は歯が立たなかった法大にも、春季オープン戦で31年ぶりの勝利を収め、前節も4点差の接戦を演じた。勝利には届かずとも、着実に力をつけている。

次節の相手は立大。昨季の横浜スタジアムでの対戦では、QB・中川龍之介(文2・立教新座)を中心とする若いチームに圧倒された。その立大は今季、さらに力をつけ、4勝1敗と好調を維持している。

相手も進化を遂げる中、今年のUNICORNSもまた違う姿を見せている。昨季はわずか1勝に終わった慶大が、強敵・立大を破り、待望の2勝目をつかめるか。積み重ねてきた進化を勝利という形で示し、昨季を超える一歩を踏み出せるか。今季の成長が試される一戦に注目だ。

(取材、記事:水野翔馬、若月大空、取材:神戸佑貴)